お嬢様が気になる佐賀グルメはどちらでしょうか?

それは、一段と冷える
夜のことだった。
どうしても抑えられなくなった空腹を紛らわせるため、私は短文を打ち込み、投稿ボタンを押していた。
「わたくしお腹ペコペコですわ~~~」
誰に共感されるためでもなく、それはいつものように多くのつぶやきの宇宙に消える、はずだった。
「お呼びですか、お嬢様」
タイムラインを見ていた私は、思わぬ返事に唖然として画面を見つめた。
そこにいたのは、頭に大きな佐賀県を携えた執事だった。
度重なる残業疲れか?
いや、終わらないコロナ禍で我慢を強いられた末、自らが現実逃避で見せた幻という可能性すらある。
困惑する私を他所に、男はサガスチャンと名乗った。
「サガス…チャン?」
全国老若男女のお疲れお嬢様を癒したいと語る彼は、つづけて笑顔で何かを差し出した。
それは、皿の上にのった美味しそうな料理。
彼の説明によれば、佐賀県のグルメだという。
ヘトヘトの私は、生まれてはじめてのお嬢様扱いと、出来立ての料理にひどく感動したものだったが、2次元の飯では、決して腹が膨れることはなかった。
これが食べられたら、どんなにいいだろう。
気づいた時には、欲望のままにお取り寄せボタンをポチっていた。
その姿を画面上の彼は、慈愛に満ちた笑顔で見守っていた。
「またお会いできますか?」
画面の中の彼は、そんな私の問いかけに答えることはなかった。
あれは、夢だったのだろうか。
彼が消えてしまった今、
確かめる術はない。ただひとつ確かなのは、後日、
注文したグルメが佐賀県から届いた、ということだ。
手元の美味しそうな食材を見つめながら、私はひとり、部屋でつぶやいた。
「…サガスチャンわたくしお腹ペコペコですわ~~~」

空腹お嬢様向けタイムライン執事
サガスチャン
CV:杉田智和

佐賀県の部分
上が玄界灘。下が有明海に面し、左に長崎県、右に福岡県と接している。それが佐賀県ですわ~。この部分は髪の毛なのか?アクセサリーなのか?佐賀県でもいまだに審議中ですの。だからお気になさらずですわ~~~

佐賀グルメを
司りし紋章
SAGAのSを堂々とあしらっておりますわ~~~。下のフォークとナイフ、こちら雰囲気でしてよ~~~







このクリスマスをSNSでお過ごしの
全国の老若男女のお疲れお嬢様を、
佐賀県のご馳走でお癒やしするために
生まれたのが彼、サガスチャンですわ~。
あらゆることをそつなくこなし、
クールに見える一方で、
健気に生きるわたくしたちお嬢様のことを
ほどよい距離感で見守っている。
そんな感じですわ~~~。
タイムラインで
「#サガスチャンわたくし
お腹ペコペコですわ~~~」
と呼ぶと、
すぐ駆けつけてくれるそうですのよ?
呼んだら何が起こるのかって?
佐賀の美味し~いグルメ
(ほぼ二次元orたまに現物)を
サーブしてくれるのですわ~


