TALK SESSIONスペシャル対談

スペシャル対談

上村 祐翔✕山口 祥義 スペシャル対談

Introduction

佐賀県は情報発信による地方創生プロジェクト「サガプライズ!」の一環として、人気アニメ「ヴィンランド・サガ」とのコラボレーション企画「ヴィンランド・佐賀」を実施。このコラボを記念して、アニメ「ヴィンランド・サガ」主演のトルフィン役である声優・上村祐翔さんが佐賀県を訪問されました。上村さんは佐賀県訪問が初めてとのことで、佐賀県内の名所を巡り、山口知事との対談も実現しました。

Location

対談の舞台に選ばれたのは、佐賀の地酒立ち飲み店「SAGA BAR」(2019年6月、JR佐賀駅構内にオープン)
佐賀県(佐賀市)は日本酒消費額が総務省家計調査で全国1位。店内家具や提供プレートには諸富家具、店内のちょうちんには「名尾手すき和紙」、酒器には伊万里焼や有田焼、唐津焼、ガラス工芸品の「肥前びーどろ」や、佐賀県産ヒノキを使い諸富家具振興協同組合が製作した「ぐい呑み」をそろえる。
BAR SAGA

Index

  1. 必然的にこのコラボに繋がる運命だったのかな
  2. 全く伝えられていない未練みたいなものを感じた
  3. 人間としての生活する上での幸せというのが溢れている

1

~必然的にこのコラボに繋がる運命だったのかな~

知事

上村さん、ようこそ佐賀へいらっしゃいました!

上村

こちらこそ、お招きいただきましてありがとうございました。

知事

どうですか、初めて佐賀を回ってみて。

上村

空港からホテルに向かった時、広大な空間が広がっていて。

知事

そうなんですよ。これは佐賀の魅力の一つだと思っています。
もう、まさに『ヴィンランド・サガ』の最初に出てくるあの平原のような。

上村

トールズがヘルガに向かって「ヘルガー!」って言っていたような、広大な自然が広がっていて。何と言えばいいのか、人工的じゃない、ありのままの姿というか、すごくステキだなって感じました。

知事

そう!佐賀の空はとても広くて、自然の雄大さを感じられるので、そうした所が新鮮な感動を呼んでいるんだと思います。11月になると、この空にたくさんのバルーン(熱気球)が飛ぶんですよ。

上村

えー! そうなんですか?

知事

今年は123機飛ぶ予定ですが、そうなると本当に夢物語みたいな光景で、とても感動します。

上村

それを見られるのは、佐賀県民の方は幸せですね。
その自然の素晴らしさが、当たり前に身近にあることが。

知事

そうですね。とても人間的な暮らしができるところが佐賀の一番の魅力です。本当に最高なところだと思います。

上村

僕は高校野球結構好きで。甲子園をよく見ていたんですけど、佐賀北のがばい旋風をすごく印象的に覚えてます。

知事

佐賀県は甲子園で過去2回決勝に進出しています。その2校が佐賀商業と佐賀北なんですが、両校とも満塁ホームランを打って優勝をしているんですよ。夢の舞台で思わぬことが起きる、そういう土地柄なのかもしれません。先日引退したフェルナンド・トーレス選手も、スペインのアトレティコ・マドリードからサガン鳥栖へ移籍し、そしてサガン鳥栖で、この町で引退したいと言ってくれた。

上村

僕は正直なところ、佐賀に対してのイメージがすごく未知数で、まっさらな状態で佐賀に来させてもらいましたので、本当に住みやすさとか、自然であったり、いろんな根付いているものが心にすごくスーッと入ってくる感じがするなと思います。

知事

そう感じていただいて嬉しいです。佐賀の良さは、人と人がしっかり繋がっていたり、『葉隠』という武士道の教えが残っていたり、そういったものが原点にあって、さらに、上村さんがご覧になったような豊かな自然が広がっているところ。本当に『ヴィンランド・佐賀』だと思いませんか。

上村

はい。今回、『ヴィンランド・佐賀』としてコラボさせていただきましたけど、改めてヴィンランドに置き換えて考えられる所がたくさんあります。ヴィンランドを求めて進んでいく生き様が、必然的にこのコラボに繋がる運命だったのかなって・・・

山口知事

2

~全く伝えられていない未練みたいなものを感じた~

知事

僕は、『ヴィンランド・サガ』を見ていて、戦いのシーンがとても激しくて、暴力的と言うのか、どういう狙いで描いているのかということにすごく関心がありました。トールズは戦いをやめましたよね。戦いは空しいことだから、家族仲良く暮らしていきたいと。でも、そうした父の思いとは別に、トルフィンは親父ってカッコよかったと憧れを持っている。それで、トールズは自分の思いをどう伝えたらいいのかと葛藤しているようで、切なさを感じて…。この時、トルフィンは親父をどう思っていたんでしょうか?

上村

少年期のトルフィンは、ほんとに純粋無垢な少年で、戦いという男らしい力強さみたいなものに憧れていて。トールズは戦わないで、結局アシェラッドに殺されてしまいました。だから、あの時のトルフィンの思いは、なんで父上が死ななきゃいけなかったんだっていう、ただもうその1点だけで。父上の思いとか、そういうものには全然まだ気付けてなかったんですよね。

知事

僕は、トールズが死ぬ時、全く伝えられていない未練みたいなものを感じました。トルフィンを守りながら、最期に何かを伝えたいんだけれど伝わらないもどかしさ。だから、これは伝わってないだろうなと思いながら死んでいく、あのシーンはすごく印象に残っています。

上村

最後死ぬ時に、伝わっていないからこその「とりあえずよかった」と言ったのではないでしょうか。
あの一件以来、トルフィンはアシェラッドに復讐をするっていうことが、ずっと生き甲斐。それだけの人間になってしまっているので、まだまだ父上の思いに気付くのには時間がかかると思います。

知事

「お前に敵などいない」という言葉の意味を、トルフィンはまだわからない。「何を言っているの、父ちゃん」みたいな。あの辺が伏線になっているんじゃないでしょうか。暴力なんて虚しいということが、この後どのように表現されていくのかとても興味がありますね。

上村

原作の幸村先生は暴力が大嫌いなんですよ。だから、暴力をしっかりと描こうと思ったそうです。

知事

だから、あんなにも激しく描かれているんですか?

上村

だからこそ、トールズみたいな、そこからもう超越した人物もいて。だから、対比的ですよね。戦が大好きで、戦うことがもう全てって考えている人たちと、そうじゃない人たち。その生き方がこれからどういうふうに変わっていって、どう描かれていくのかっていうのが、これからの見どころです。トルフィンがどう成長していくか。

3

~人間としての生活する上での幸せというのが、ほんとに溢れていて~

知事

僕は、「ヴィンランド」というのは、人が人として輝ける場所、本当に生きていてよかったと本質的に感じられるような場所だと思います。もちろんそれは、戦いや暴力が支配する世界ではなく、人と人が支え合いながら生きる世界です。
先日、佐賀では大きな豪雨災害がありましたが、地域の人たちはお互いに協力しながら、前を向いて復興に取り組んでいます。こうした人と人のつながりを大切にしている佐賀は、豊かな自然や文化、食にも恵まれており、まさにユートピアだと思います。

実は、来年、「アジアベストレストラン50」というイベントが日本で初開催となりますが、その開催地が佐賀に決まりました。これは、アジアの料理人たちが佐賀に魅力的な食材や器のほか、人の営みや伝統などの美しさを感じていただいたからこそ、日本でやるなら佐賀だと言ってもらえたのだと思います。これからもそういう所を大事にしながら、佐賀を発信していきたいなと思っています。

アニメを見ながら『ヴィンランド・サガ』が、夢の大地というような描かれ方をしているのを見て、アニメと佐賀県は結びつく運命かもしれないと、ずっと思っていました。だからこそ、今回の『ヴィンランド・佐賀』は、お互いのことをわかり合ってできたコラボだと思っています。

人が生きていく上でのユートピアが佐賀にある、そして『ヴィンランド・サガ』もそうした世界をつくることのすばらしさを伝えている。ここから最高のハーモニーが生まれるんじゃないかと思いますね。

上村

今回、佐賀県にこうやって来ることができて、いろんな景色、いろんな食べ物、いろんなものを五感で味わっていく中で、本当に先ほど知事がおっしゃった、人間としての生活する上での幸せというものが、ほんとに溢れていて。やっぱり、『ヴィンランド・サガ』のサガは、ダブルミーニングだったのではないかって、自分の中でも思う所がかなりありました。

たぶん原作もそうですし、今回のアニメも、1つ大切にしている描かれ方としては、人が生きる上での幸せ、本当の意味での真実の幸せ、幸福って何だろう? っていう問い掛けになっていると思うんです。今日はいろんな所回ってきましたけど、空港降り立ってホテルに向かう車の中で見た、あの景色、あの草原が、もうそれを全て物語っているのかなと本当に思いましたね。

知事

ちなみに上村さんは今おいくつなんですか。

上村

今25歳です。

知事

25歳!こんなに深い洞察力あるってすごいなと、びっくりしています。今回、佐賀県について知っていただいたことが、上村さんのこれからの人生の財産となれば嬉しいですね。将来いろんな壁にぶつかった時、第二の故郷として思い出してもらえるような佐賀にしていきたいと思います。

上村

こういう工芸品であったり、食べ物もそうですけど、印象として丁寧で優美な感じがして、すごく温かみを感じました。でもその中に、先ほどおっしゃられたまじめさであったり、愚直さというか、そういうひたむきに向き合っている姿が、目の前に出されたものすべてに詰まっているなという印象を受け取ることができました。

知事

すごい!そうなんです!僕たちは、愚直に真っ直ぐに、だけど洒落っ気も大事にしている。佐賀の「本物」の素晴らしさを、デザインでしっかりと伝えていくことを心がけているので、そこを感じていただけたのはすごく嬉しいです。

上村

ありがとうございます。

知事

上村さんはろくろ体験もしたんですか?

上村

はい、2つ作れましたね。

知事

すごいですね。薄くペラペラにならなかった?

上村

ならなかったんです。職人さんに、すごい器用と言われ、とても嬉しかったです。

知事

じゃあ、将来が楽しみですね。

上村

また作りに来ます。

知事

佐賀に住むのもいいかもしれませんね、意外と。年を取ってから移住するのもいいですし。

上村

はい。

知事

佐賀には色々なものがあって、本当に豊かな土地ですから。

上村

佐賀って素敵だなと思いました。

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©幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ製作委員会